望んでいるわけじゃないのに、どうして苦しい恋ばかり選んでしまうのだろう?



そんなことを考えても、答えは決して見つからない。



・・・・・・わかってる。



でも、ただ俺は彼女のそばにいたいんだ。

















The way of love
〜親友の彼女と僕と新しい目覚め〜

















一度目の恋は、何にも縛られずに自由に羽ばたいていく彼女を追いかける恋。

会いたくて、ただその気持ち1つ胸にフランスへ行ったけれど、
そこで目の当たりにしたのは、無力な自分と、彼女の本当の気持ち。


追いかけたことに後悔はないけれど、もやもやしたものが胸に残った。



煮え切らない気持ちをどこかで引きずりながら気がついた2度目の恋は、司に惹かれる彼女と。


以前の恋の時に、一歩前へと踏み出せなかった俺の背中を押してくれた牧野つくし。

紆余曲折があったけれど・・・今では司の彼女。





何となくキスがしたくなったり、

泣いてるだろうと思って会いに行ったり、

励まそうと抱き締めたり、

ちょっとからかってみたり・・・・・・。



くるくる表情を変えながら、忙しそうに生きる彼女に俺はどんどん惹かれていった。



『報われない恋なんてして』とあきら達は嘆くけれど、何でかな。


ちっとも辛いだなんて思わない。





笑っている牧野が好きで。

たわいのないことを楽しそうに話す彼女と過ごす時間が好きで。

今日も俺は牧野がいる非常階段に行く。





非常階段に行くのは、学園での喧騒が聞こえない唯一の場所。

・・・最初はそうだった。

今では彼女に会うのが楽しみで行くのかもしれない。






司にも邪魔されない、唯一の場所。2人だけのテリトリー。

恋の邪魔はしないから、せめてこの瞬間だけ。









4年後、司が本当に彼女を迎えに来るのを見届けるまで多分、俺は新しい恋が出来そうもない。

だけど、彼女のベクトルが俺に向くことがあれば・・・・・・





胸の内に閉じ込めた思いを解放する時は来るのだろうか。

彼女の幸せを祈りながら、少しだけそんなことを考えてみる。







どちらにせよ4年後、牧野の笑顔が見られますように。



非常階段の彼女の指定席をぼんやりと眺めながら、心地良い眠りに意識を預けた。





新しい恋に目覚めるのはまだまだ先の話。

彼女の声で起こされるまで、しばらくの間ゆっくり眠ろう。













fin.















類の独り言。こんなこと考えてそうな?(2004/03/30)
スロットゲームでUPした作品をこちらに移しました。(2004/05/16)